8. 準決勝に勝った人
1/5、花園準決勝。
大阪桐蔭vs流経大柏。天気は曇って桐蔭色です。空までホームカラーって、ラッキーね!笑
まず初めに流経大の強靭なフィジカル、ハイパントキックは大会随一。見事なレベルです。ボールキャリーは桁外れの強さ。試合開始直後から、FWがぐんぐん前進します!
大阪桐蔭、何とか耐え凌ぎ、この日初めてのマイボール。ここでいきなりビッグプレー炸裂。この日10番の一千ちゃん(僕の教え子の1人です)。FWのスクラムは何とか安定。確実にパスされたボールを受け・・・ない!!!笑
・・・彼は中学生時代から、本当にラグビーが好きな人でした。狭い土のグラウンドでしたが、暗くなるまで泥まみれになって練習したり、遠くに大学ラグビーを見に連れてったり、座って語り合ったこともありました。でも、ノックオンについて練習したり、熱く語った記憶はありません。笑
いきなり先制点を与えます。彼は意外と真面目な人なので、メンタルへの影響が心配・・・。でもそれは、僕の余計なお世話だったよう。笑 その後、ようやく実力を見せます。
12シェイプの桐蔭に対し、流経は12、13へプレッシャー。恐らく桐蔭のキーである12、13の自由を奪う考えでしょう。(10は顔がほぼ小学生なので、舐められていたのか?それは仕方ない。)
正直、浅はかなDFでした。10の前にギャップができていた。 →ここでDF側にいた皆様へ、心より残念なお知らせがあります。。
実は一千はギャップに走るのが、とっても上手なやつなのだ!
DFを切り裂き、桐蔭トライ。僕がここで注目したいのは、10がギャップを走る直前に見せたボールキャッチのスキルです。
ボールをキャッチする前から10は右斜め前のギャップに気付きます。その後、「タックルされない絶妙なコースで、自分がスピードに乗っている状態」を作り出すために考えて動きます。
スピード調整で相手と間合取り。さらに加速してボールをキャッチ、と同時にランコースを変える。もし相手との間合いを狭めて無理に走り込んでしまった場合、キャッチ後にステップを踏む必要性から逆にスピードが遅くなってしまったり、9のパスとタイミングがずれて体の向きが悪くなりがちです。正直これができるのは、流石。(←一千、これ「さすが」って読むよ。)
大阪桐蔭は12高本君中心にキックでエリアマネジメントし、徐々に得点を重ねます。その後も名前はよう言いませんけど、10番がキックチャージされてトライをされたり(笑) もしましたが、最後は何とか勝利しました。
気にするな気にするな。ミスはある。次修正。
流経大は強いチームでした。準々決勝は大阪の強豪、常翔学園を破って来ました。常翔のキャプテンは生野区の人です。(東生野中。)大阪桐蔭のキャプテンも生野区。僕が顧問した大池中です。(なので一千も大池です。)
惜しくも敗れた地元の仲間、大阪の仲間たちがいる。彼らはそんな想いも背負って、戦っているように見えました。今大会どうしても、キャプテン松山千大(チヒロ)が被る、1人だけ色褪せたヘッキャに目がいきます。多分桐蔭出身の兄貴が使っていたものなんだろうな。と、勝手に思っていたら、やはりそうでした。
ちーくんは情に熱いやつなのだ。
敗退した仲間たち、優勝を逃した兄2人の想い。そして、自分の栄誉のためにもね。
憧れの大阪桐蔭のジャージで、試合できるのもあと1時間。一瞬が一生の記憶に変わります。まあ、せいぜい楽しんで。