17. 優しい人
いつぶりの更新になるんだろうか。
特に頑張らずやって参ります。
1.優しい人
昨日、不思議な体験をした。
多分、勝手な思い込みだろう。
笑われるに違いない。だけれど、
僕がそう思い込んだまま、馬鹿なまま生きることができるのであれば、
もうそれは勝手な思い込みではなく、一つの体験として僕の中に残る。
そこでは僕の所属する団体が関わる、地域の祭りが開かれた。
会場には大勢が集まり、出店やイベントで盛り上がっていた。
喫煙所に足を運ぶと、正面にある人の看板が立っている。
たまたま同じ大学の先輩で、僕の父親は親友でもあった。
そんな奇遇から、僕は昔から、平尾さんが特別に思えた。
僕の大好きなラグビーの世界で、日本の頂点に君臨した人だ。
普通、遠すぎてわけの分からない異次元の人のように思える。
憧れたって、尊敬したって、僕のような一般人には、考えるだけ時間の無駄と言ったぐらいの存在だ。
例えば1人のどっかのガキがマイケルジャクソンのダンスに憧れて、本気で真似すりゃ自分もできるとスター気取りの・・・そんな状態だ。
身体能力と生い立ちと、そこから育まれた思考回路自体、全く違うから、なれるわけがない。
っていうか、彼らは特別な存在だ。多分人生を数回はこなしてる。わかりきったことではないか。例えば一回目の人生で、あんな結果を出せるはずがない。
何かの生まれ変わりか、もしくは、人の形をした異星人なのだ。
人間一回目のガキが、どうもがいたってそうなれやしないのだ。
そんなことはわかりきっている。でも、それでも、僕はおこがましい。
近づけるんじゃないかとか思う。そんな惨めな子ども時代だった。
彼とはもう写真でしか会えない。平尾さんは2年前亡くなった。
丁度同じ頃、僕は悩んだ。
教師を辞めて、路頭に迷った。
自分ではもう考えがつかない。だから、本に頼ろうと思った。
もちろん、その中に平尾さんもいた。
数々の著書を彼は残してる。
徹底的に、考えを学ぶ。
人生の底辺をうろつきながらも、それでもまだ飛躍を望んだ。
だから、スターの考えを学ぶ。
なれるとでも思っているのか?
いや、なれない。それでも、学ぶ。
大人になったときに見る言葉で、平尾さんの思考を、思考する。
数ヶ月たって、昨日の話だ。
あれから僕はビジネスを始めた。
正直言って、よくわからない。
このままの道で生きていいのか。
本当は自分は何を望むのか。
結婚もしていない、財産も消えた。
ビジネスだって、どうなるかわからない。
数ヶ月前にゼロだった自分に、ひたすら1を足してきただけだ。
ビジネスセミナーでは笑われる始末だ。
「お前これで生きれると思うの?」「本当にそんな人生でいいの?」
年齢も経歴も輝かしい人たちの、ありがたいご指摘にいちいち悩む。
多分、僕に期待しているのだろう。だからこそ言ってくる。自分も、それは事実だと思う。
結構、僕は優等生街道だ。父親もすごい。いわばエリートだ。周囲の期待は嫌でも上がる。
ありがたい。
でも、何もわからないのだ。
「優等生街道」なだけで、中身は全然優等生じゃない。
色々言われても、正直分からない。未来予知ができるほどの英才教育は受けてこなかった。
何が正解で、どう生きりゃいいのか。
わからないから、えげつなく悩む。
しかも僕は事業主だから、給与をもらう立場ではない。立ち止まったら、ご飯が食べれない。これでいいのかと悩みながらでも、進むしか時間の使い道はない。
その日だって給料も出ないのに、呑気にそんな祭りに出ている。
「あぁ〜、これでいいのだろうか。」
そんなことを考えるために、喫煙所へと歩いたわけだ。
そこに、平尾さんがいたわけである。
夕方、もう一度喫煙所に行く。
「平尾さんいるかな?」と看板に目をやると、
平尾さんは、撤去されかかっていた。
祭りの終盤、片付けの時間だ。
「平尾さん、持ってかれちゃったよ。」
と、その時、
不思議な体験をしたんだ。
平尾さんの優しい笑顔が、遠のきながら、こっちを見ている。
角度が変わっても、僕を見ていた。
多分、たまたま。写真のせいだろう。
でも、明らかに、その顔が優しい。
今まで見てきた、誰の顔よりも、
そのときの平尾さんが、一番優しい。
どこか、「お〜、頑張っとるな。」と、
僕を見て微笑んでいるような気さえした。
「頑張れよ〜」とか、そんなんではなく、
「お前、それで正しいよ」と、
励まし、褒めてくれているような。
そんな感覚に、勝手に陥った。
生き方に迷う年頃なのだろう。
諸先輩方の意見を聞いては、今の自分と照らし合わせる。
その度に、やるせなく落ち込んでしまう。
自分はまだまだ、理想には遠いなと。
どんな道を歩むべきだろう。
正解や近道ばかりを追いかける。
今、歩いてる道は正しいか?
そんなこと、どこかに着くまでわからないのに。
あの微笑みを勇気に変えて、
とりあえずこのまま歩こうと思う。
2.名言コーナー
「心の声に従っていれば、まず間違い無いと思う。」
以前も紹介してましたかね。
平尾さんの言葉です。
心の声に従う作業が、結構難しいっていうか、自分でもよくわからないんだけど。
そういえば留学を勧められたなあ。
今時、数百万借金すれば、割と簡単にいけるみたい。
今は行きたくないけれど、多分将来には役立つんだろうな。そんな心境で過ごしているけど、結局、「今」行きたくないから、多分近いうちには、行かない。
3.適当コーナー
最近、新しいビジネスを進めて、力作業が増えてきました。このまま夏までに痩せればいいなあ。